補助金活用で独自のリフォーム技術開発と古民家への挑戦
会社名 |
株式会社富士京サービス |
地域 |
東京都 |
業種 |
職別工事業 |
この会社について
東京都の株式会社富士京サービスは、解体作業、道路舗装作業を主な事業として平成20年に東京都江戸川区で設立し、月に20件程の解体作業依頼を受けています。
また60歳以上の高齢者12名を専属業務委託という形で実質的な雇用をしていて、高齢従業員の雇用に貢献している一面もあります。
同社は、革新的サービス開発費として、ものづくりコンパクト型補助金約250万円(上限700万円)を獲得しました。
開発した革新的技術とは簡易リフォームの手法です。
簡易リフォームは、大規模な工事を行わないため「期間」「価格」において一般的なリフォームに比べ競争優位に立っていると言えます。
また、付加価値を付ける為にデザイン性に富む場合も多く見られます。
補助金採択の理由と交付金額
●深刻な問題である空き家問題を解決の方向へ導ける点
●空き家オーナーとのサブリース契約で、相場の半分程度の家賃で物件を紹介
●低所得者や年金生活者、母子家庭といった生活困窮者でも借りることが出来る点
●簡易リフォーム技術に独自性が見られる点
●その技術が高齢従業員でも作業が可能な点
以上の社会性と独自性が認められ、申請満額の2,466千円の補助金採択に成功。
同社の現状と課題
東京都の空き家は、H20年で75万戸あり割合は11.1%にも上ります。
賃貸収入の可能性や更地にした際の固定資産税の負担増を敬遠して空き家のままにしておくオーナーの多さが背景があります。
しかし、H27年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」により税制が見直され、空き家オーナーは解体か販売、賃貸等の有効活用の選択に迫られています。
それに伴い解体会社の需要も高まっていますが、同社に訪れる空き家オーナーの半分程は解体費用が捻出できずに解体を諦めています。
しかし、空き家そのままでは価値は低く、賃貸物件としての利用も難しいのが現実です。また解体作業等の肉体労働は怪我や事故のリスクがあります。
当社のスタッフは解体作業、道路舗装作業の実務経験があるが、高齢であればそのリスクはさらに高まり、安定して働くことは困難を極めるという問題も抱えています。
課題のまとめ
●解体費用が捻出できない空き家オーナーが多数存在している
●賃貸や売却が難しい空き家物件が増加傾向
●空き家問題が顕著となっている
●空き家が存在する地域は「治安の悪化」が懸念される
●解体業務は肉体労働であり怪我のリスクがある
●高齢スタッフが安定して働くことが困難
解決策
●独自手法の簡易リフォームの開発とサブリース事業に挑戦
●空き家オーナーへコスト負担の少ない空き家の運用手段を提供
●低コストでの室内リニューアル
●家の簡易リフォームや物件メンテナンスを提供
効果
●空き家を少なくすることで地域の安心安全を維持
●人の集まる落ち着いた街並みを守る
●高齢スタッフの「仕事確保」と「雇用維持」を両立
補助金活用で達成したこと
そこで同社は、低コストで行える簡易リフォームで空き家に新たな付加価値を見出して、賃貸物件といして再生することに注目したのです。
ただ簡易的に内部の機能や内観を良くするだけでは他社との差異を見出せません。そのため同社は補助金活用で「珪藻土、ステイン塗装、エイジング塗装」を組み合わせた独自の簡易リフォーム法の開発を行いました。
一般的なリフォームは、中古物件を洋風にアレンジするのに対して、同社のリフォームは「和から和」をコンセプトに古風民家風やアンティーク風にアレンジを施します。
価格面おいても従来と異なり、一新するのではなく、加工した木材貼り付け等の簡易的な方法で風合いを醸し出すため大きく抑えることも可能にしています。
珪藻土は、藻類(プランクトン)が堆積し化石した太古の土のことで、調湿性や断熱性、消臭効果に優れています。
エイジング塗装は、何百年と経過したアンティーク品に見られるサビや剥がれ、傷や汚れなどの風合いを、塗料や道具を使って表現する技法で右下写真のような風合いを表現することも可能です。
簡易的であるために、塗装において素人である高齢従業員でもリフォームが可能で、築20以上の物件でも10万円以内での改装が可能できます。
高齢従業員の雇用促進と住居提供、空き家問題解決の糸口となるでしょう。
会社概要
会社名 |
株式会社富士京サービス |
住所 |
東京都江戸川区松島3-1-9 |
電話 |
03-3877-7149 |
URL |
http://www.fujikyo.info/ |