1,000万円の補助金獲得で、世界初のオカリナ専用弱音補助装置「吹けるん」を製造することができました。

町口智子社長(樹紫苑)

1,000万円の補助金獲得で、世界初のオカリナ専用弱音補助装置「吹けるん」を製造することができました。

神奈川県大和市で翻訳業や、オカリナ教室の運営、オカリナ関連のオリジナル商品の開発・販売をされている株式会社オフィス樹エージェンシー。

補助金で世界初「オカリナ専用弱音補助装置」を開発し、2017年2月1日に発売となりました。

オフィス樹エージェンシーは、2011年創業と比較的新しい企業です。

補助金採択でどう変わったのか、ディズニー翻訳家としてもご活躍の代表取締役 町口智子氏にお話を伺いました。その秘密に迫ります。

(取材日付:2017年2月14日)

 

“オカリナで人と人とをつなぎ、豊かな心を育みたい”

− 株式会社オフィス樹エージェンシーの事業内容について教えてください。

主に、オカリナを通じた音楽活動とそれに関わる物販を行っています。

オカリナ奏者のみると(取締役)と「オカリナで人と人をつなぎ、豊かな心を育みたい、世の中の役に立ちたい」という思いが一致したのがキッカケですね。

会社の設立前は、フリーランスの翻訳者として産業翻訳に従事していました。その後、幼い頃から親しんでいたオカリナの新たな魅力に魅せられ、音楽事業に進出します。

 

− 会社設立理由と経緯を教えてください。

フリーランスの翻訳家と音楽家は、いずれも労働集約型であり、仕事を増やしていくには既に限界を感じていました。

また、お客様の信頼を得るという意味でも、個人としてではなく企業として事業を展開するべきと認識しました。オカリナ事業をやっていくうちに、自社製品を含め、世界各国のオカリナ関連のよい商品を日本の市場に紹介したいと思うようになりました。

また、日本のよい商品のみならず世界各国のオカリナ関連商品を語学の問題で買えない愛好家の方々が意外に沢山いらしたんです。

これらを英語でご説明することができればと思いました。「語学」という私の武器を活かせますし。

 

− 設立当初からオカリナ事業が主体だったのですか?

いいえ、翻訳部門が全体の売上高の7割以上を占めていました。

でも、翻訳は1文字いくらの世界ですから、私にもしものことがあったら会社がすぐに傾きます(笑)

そこで、平成25年からは、オカリナの輸入販売とオカリナ奏者みるとを主軸とする音楽イベント企画、オカリナ教室の運営に力を入れています。

 

− その中で自社製品販売に力を入れていこうと。

はい。オカリナ愛好家さんはシニアの方が多いので、若い世代の人たちにも広げていかなければならないという業界全体のニーズがありました。

そういった愛好家さんのニーズに応えたい、オカリナ業界の若年化に役に立ちたいと思い始めたんです。

また、実はオカリナ愛好家の最大のニーズは「音を気にせず練習できる環境が欲しい」ということなんですね。

オカリナは音色が綺麗なのですが、自宅で練習するには音が大きくてご家族の方にとって耳障りだし、近隣の方にも迷惑になることが意外と多いんです。

ピアノやギターなどのメジャーな楽器は弱音器脳が付いていたり、弱音器が既にあります。

ですが、オカリナは形も大きさも、必要な息の量もあまりに多種多様で、弱音器を作ることがほぼ不可能とされてきました。そこに目を付けたんです。

 

世界初のオカリナ専用の弱音補助装置を発明

− オカリナに弱音機能、面白いですね。

オカリナ専用弱音補助装置「吹けるん」

オカリナ奏者として約20年の経歴を有する弊社のみるとが発明しました。

リコーダー用弱音器とはまったく違う発想に基づいたオカリナ専用の弱音補助装置となっています。世界初なので、特許も取ろうということになりました。

でも、そのあたりで問題が生じたんです。

 

国際特許出願費用も補助金対象

− 何があったのですか?

予想以上にお金がかかったんです。国際特許出願に最低でも約700万円もかかりました。

特許をとって事業化という流れで考えていたのですが、簡単にはいかないものですね(笑)

また、弱音補助装置作ってくれそうなメーカーさんにも相談に行ったのですが、見積もりが思ったより高くて。諦めかけていました。

なんとか資金調達しないと、と思って駆け込んだのがシャイン総研さんのセミナーだったんです。試作開発でも、国際特許出願でも補助金が出るなんて知りませんでした。

今まで補助金なんて申請したことがなかったのですが「特許が加点になる」と石川さんが強調してらしたので、チャレンジしてみることにしたんです。

シャイン総研さんのサポートもあって、何とか補助金を獲得することができました。

 

いつでもどこでも「吹けるん」です。

− 製品化され、正式発売したそうですね。

おかげさまで、2017年2月1日に正式発売となりました。「吹けるん」といいます。「いつでもどこでも吹けるんです」というのがキャッチコピーです。

世界初の概念に基づいて作られた商品なので、未来のお客様は、まず商品を理解することからスタートになります。

その点でのお客様の負担を減らしたかったですし、発売と同時に商品の情報配信を始めるようでも立ち上がりが遅くなってしまうと思い、2016年12月から商品情報をFacebookや特設サイト、YouTube等で発信するようにしました。

 

− 評判はいかがですか?

情報配信が功を奏して、正式発売前から多くのお問い合わせをいただき、今年に入ってからは毎日ご予約をいただきました。

できるだけ価格設定を買いやすいようにと、商品を「基本」と「こだわり」の二つに分けて、まずは最低限の構成で販売を開始したのですが、蓋を開けてみると、最初から両方をいっぺんにお買いになる方がほとんで嬉しい誤算でした。

オカリナ講師の方々にも高い評価をいただいています。

また、先行発売開始から10日間で約250セット、約70万円の売り上げ、おかげさまで順調なスタートを切れました。そして、2017年2月7日付で、国際特許出願をしている7カ国のうち、日本での特許を取得しました。

その他の国での手続きも順調に進んでいます。

 

「人の役に立てることの、本当の喜び」を知りました。

− 最後に、今後の目標をお聞かせください!

「吹けるん」を世に送り出すことで、多くの方から「待っていました!」「一度も家で吹いたことがなかったので、ようやく願いが叶います」「もうカラオケルームに行かなくてよくなりました」というお客様のお声をいただき「人の役に立てることの、本当の喜び」を知りました。

事業といえども、お互いに「人」が関わることです。人の役に立つことで、自社の事業も育てていきたいと強く思います。

まだまだ未熟な楽器のオカリナですが、他の楽器を肩を並べるまでに育て、若い方々にオカリナを楽しんでいただける環境づくりを通じて、業界の裾野を広げていく一助となることを目指していきます。

企業情報
企業名:オフィス樹エージェンシー
従業員数:2名(役員)
取得した補助金:平成26年度小規模、ものづくり補助金
補助金交付申請額:1,000万円
取得時のテーマ:世界初!専用弱音器付きオカリナ「おうちでオカリナ」の開発

 

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