オカリナ製造で補助金1,000万円獲得
会社名 |
株式会社オフィス樹エージェンシー |
地域 |
神奈川県 |
業種 |
その他の小売業 |
この会社について
神奈川県の株式会社オフィス樹エージェンシーは、世界初となる専用弱音器付きのオカリナの試作開発、国際特許出願にあたり1,000万円の補助金採択を受けることに成功しました。
オカリナ製造というマニアックと言える、同社が満額の補助金採択に成功できたのは、当事業の社会性や独創性が評価されたこと他なりません。
同社は、神奈川県に設立され自社オリジナルのオカリナ作成、音楽教室運営を主な事業としています。「オカリナで人と人をつなぎ、豊かな心をはぐくむ」をコンセプトに掲げオカリナ普及にも努めていました。
既存商品であるオリジナルオカリナ「インフィニティ」は「ペコリーノ」というオカリナをベースに韓国のトップオカリナメーカーのジンオカリナと共同開発したもので高品質、安定性、低価格の実現に成功し多大な評価を得ています。
また、オカリナ大国の一つである韓国で安全性環境基準認定をされていることも特徴の一つと言えます。
補助金採択の理由と交付金額
●世界初となるオカリナ専用の開発である点
●オカリナ消音器の開発で、オカリナを始めるキッカケとなり、オカリナ人口の増加、伴う関係市場の活性化、音楽文化の育成が見込まれる点
以上の新規性と社会性が認められ、補助金1000万円採択に成功。
同社の現状と課題
オカリナは音色が綺麗であるが、近所迷惑から自宅での練習や夜間での練習が難しいのが現状です。
また口になにか器具をつけ音を抑える努力をしても、ピッチを狂わせてしまうことや、本来より息をし辛くさせてしまう等、練習を妨げてしまいます。
年々オカリナは認知が広まり、市場人口も増えてきている反面、人口拡大に伴い場所や時間に左右されず練習したいという声も大きくなってまいりました。
楽器練習の問題点
●近所迷惑になるから自宅で、あるいは夜間の練習ができない
●たとえ吹き口に何か器具をつけてもピッチが狂う
●息が入らないなどの心配がある
解決策:オカリナ専用弱音器
●場所や時間を気にせず楽器の練習ができる
→新規顧客層への展開
●吹奏感、ピッチを維持しながら吹ける
●つけていても練習の妨げにならない
●正しい息のコントロールができる
→顧客満足度向上
また同社は、事業そのものは順調に伸びているものの、まだまだ事業規模が小さい為に新たな楽器作成に必要な金型費用などの資金面での不安も抱えていました。
ニーズが存在し、自社は叶える技術もある。しかし、着手する資金がありませんでした。そこで注目したのがものづくり補助金だったのです。
補助金活用で達成したこと
同社は補助金活用で、リコーダー用弱音器とは大きく異なる専用の弱音器の試作開発に取り組み成功させました。
吹き込むべき息の適正量、吹奏感(奏者が感じる空気の抵抗感)は、種類やメーカーによっても異なるため、息の量を調整する部品の開発改良が必要であったため、0.1ミリ単位で調節したものを永久金型化しました。
上図のように装着することでよりありのままに近い吹奏感や息量で演奏することが可能になるそうです。
また従来品のオカリナとはパートの異なるオカリナを試作開発も挑戦しました。
様々な音域のオカリナを作成しより多くの人にオカリナを手に取る環境を作り、オカリナで人と人とを繋ぎ豊かな心を育んでいくのです。
オカリナと消音器、教本をセットする入門セットの用意で新規顧客の獲得とともにオカリナ文化普及にも一役担ったのです。
国際特許申請費用も補助金対象
さらに、国際特許申請費用も補助金対象となるため費用700万円の3分の2に当たる、460万円程度を賄うことができ、無事に出願受理も完了できています。
オカリナ販売数は、市場拡大も影響し直近で1000個の売上が、5年で2.5倍まで増加、消音器も年間1000個越えの販売数を望めるため、売上高・経営利益は約2倍に増加することが見込めます。
補助金活用し従来とは異なる形での市場参加を可能にしたために、多くの利益をあげることが出来るのでしょう。また国際特許獲得で、海外販売も視野に入れているそうです。
会社概要