飲食店の事例|補助金獲得1,000万円で多店舗展開へ

株式会社GAC 代表 大井義友
神奈川県厚木市内でダイニングバーを営む株式会社ジーエーシー。いま流行りの熟成肉でお店は連日大盛況。
補助金獲得で導入した最新設備で回転率をアップさせ、売上も上昇中。補助金活用の成功の裏側について、株式会社ジーエーシーの大井義友氏にお話を伺いました。
− まずは事業内容について教えてください
弊社は2015年7月に神奈川県・厚木にダイニングバーをオープンさせました。その後、東京の多摩にも出店し、現在は2店舗を経営しています。
「リーズナブルな価格で、牛・豚から猪や鹿といったジビエまでユニークなメニューを提供したい」という思いを大切にしています。
衝撃だった熟成肉との出会い
− なぜそう思われたのですか?
熟成肉を口にしたとき「肉がこんなにもおいしくなるのか」と感銘を受けたからです。熟成肉との出会いは前職時代にさかのぼります。
− 出会いのキッカケ、気になります(笑)
独立前は「ワインバル ゴルゴン9」や「食 BURNING」などのブランドで飲食店を展開する「cocoworld」に10年間在籍し、店舗開発から神奈川県の厚木市・秦野市・大和市などの10店舗の統括を行うマネージャーとして運営しておりました。
その頃ですかね、仕事の勉強も兼ねた飲食店巡りでたまたま出会いました。
厚木の街を元気にしたい
− 前職で厚木近辺を統括されていたこともあって、厚木にお店をオープンさせたのですか?

それもあります。でも1番は厚木の街を元気にしていきたいという想いが強かったからです。
学生時代に遊んでいた本厚木駅周辺が最近、ファッションビルなどの閉店が続き、活気がなくなっています。非常に寂しいことです。
また当店が中心になって、厚木の食文化の向上に貢献したいなとも考えていました。
補助金で研究調理場を開設
− そんな素敵な想いがあったのですね。実際に補助事業ではどんなことに取り組まれたですか?

ラボ兼セントラルキッチン(研究調理場)の開設です。
具体的には、最新型の特殊冷蔵ボックスを導入し、瞬間冷凍技術の活用で熟成肉の更なる品質向上を目指している最中です。
この冷凍ボックスがスゴいんですよ。ポイントが3つあって、簡単に説明すると、
- 衛生的に解凍熟成ができる
- 旨さがちがう
- 熟成日数の大幅短縮でコスト削減
と、優れものなんです。
売上は前年比80%アップ
− その熟成技術を確固たるものにしたことが売上上昇に繋がったのですね?
それが1番大きかったかもしれないです。売上がどんどん伸びています。前年と比べて月あたり約80%上がりました。お客様も月あたり3000人増加しました。
補助事業の最終目標の1つとして多店舗展開を掲げているので、今後も増やしていけたら、たくさんの人に熟成肉をリーズナブルな価格で提供でき、良さを分かってもらえると確信しています。
また、テイクアウト事業の評判もいいですね。仕事帰りのお客様などから多く利用いただいています。毎月100万円くらいはそこの売上です。
− 特徴として、鹿肉や猪肉のジビエを扱っている点がありますが、どこから仕入れているのですか?

地元の猟師さんからです。
実はジビエは猟師さんの仕留め方や直後の処理によって味が大きく変わるんです。
魚もそうですよね。適切な処理をされず、生臭いままのジビエを食べて悪い印象を持つ方が結構いらっしゃるんです。
しかし当社では、地元の腕のいい猟師さんたちに血抜きなどの処理までしてもらい、鮮度を保ったままセントラルキッチンまで送ることで、高品質なジビエを安定して提供しています。
熟成肉の追求は我々の「使命」
− 今後の目標をお聞かせください。
会社としては、5年以内に海外展開と国内6店舗を目指します。今年、台湾へ出店することが決定しています。
近年、日本産の牛肉輸出量が増加しており、弊社としても海外市場における日本和牛の評価、ブランド力の調査を行っております。
あとは、良い意味でとんがっていくことですかね(笑)
飲食業界は多様化しすぎな気がしています。我々は熟成肉に対する強い思いを持って、熟成肉を追求していきます。
それが我々の使命だと捉えています。

企業情報
企業名:株式会社ジーエーシー
従業員数:55名
取得した補助金:平成27年度ものづくり補助金
補助金交付申請額:1,000万円
業種:飲食店
取得時のテーマ:生産者・猟師と連携して取り組む、熟成肉製造業への挑戦および熟成技術の高度化