家具製造業の梅里竹芸が補助金1,000万円獲得
会社名 |
(有)梅里竹芸 |
地域 |
宮崎 |
業種 |
家具製造業 |
日本で唯一、竹製家具の製造・販売を行う梅里竹芸はこの度、自社での一貫加工で竹の特性を活かした様々な商品を開発・提供できる環境を整え、機械装置費として1,000万円もの補助金を獲得しました。
競合はいないものの、他の問題の多い竹製家具の分野において、なぜここまでの支援を受けることができたのか、その理由に迫ります!
補助金活用で達成したこと
●自社での一貫加工
●竹の特性を活かした様々な商品を開発・提供できる環境を整えた
この会社について
梅里竹芸は仕入れた竹を原材料として長椅子やベッドといった家具を製造・販売しております。
今では日本全国のデパートで年に 200 回を超える催事に出店、その売り上げは 2 億円を超え家具職人も20人を抱えるまでになっています。
ちなみに竹製の長椅子やベッドを作っている同業者は国内ではいません。
業界の課題
竹製品の加工・販売を主として行う梅里竹芸には競合がいないため、その課題が業界の課題であるともいえます。
この会社が以前より抱えていた問題は竹を扱ううえで避けられないものであり、具体的には以下の2点が挙げられます。
課題① 職人不足で竹が集まらない
「江藤さん、職人がいなくて、竹が集まらないんだよ…」
現状、竹業界で最も問題となっているのが、竹伐採業者、加工業者の減少です。
仕入先や外注先が後継者不足で竹の伐採を辞めてしまうため、製品の販売以前に原材料の供給について解決を迫られる状況にありました。
課題② 即決で購入しにくい商品
「今日はお父さんが来ていないから、あたし一人では決められない…」
百貨店の催事で、その場で契約が成立しない一番の言い訳がこの言葉です。
製品販売の段階に おいては「いいとは思うけど即決したくないから、言い訳にお父さんを使う」という人が多いのです。
今まで主力であったデパートの催事販売が思うように伸びていないというのが実情でした。
確かに竹製品は加工が難しく、結果高価なものとなってしまうという現状があり、商品は長椅子(ソファ)で38万、ベッドで28万円と決して安い買い物ではありませんでした。
仕入や製造だけでなく、手の届く新商品の開発や販売手法の見直しも 必要不可欠でした。
解決策
梅里竹芸は上記の課題の解決に向け、以下の三点を新事業として実施しました。
解決策① 完全自社内製化体制の確立
既存の方法では仕入や外注を他社に依存していたという問題を防虫加工設備の増設や自社伐採年間5万本体制の改善による一貫加工工場の建設という形で解決しました。
これにより原材料の供給を安定させるとともにコスト削減が図られ、もともと高価だった竹製品が買い求めやすくなります。
解決策② 新商品の開発
規格外の竹の有効利用を考え、アクセサリーや防虫スプレー等、上記の竹独特の強みを活かした商品・サービスの試作開発も同時に行っており、既存の製品と合わせて購入してもらえるよう工夫しています。
機能・性能 |
商品アイデア |
耐摩耗性 |
アクセサリー(スマホケース)
介護用具・器具 |
抗酸化効果 |
弁当箱
食品保存容器 |
抗菌・防カビ・害虫忌避効果 |
防カビ、防虫スプレー
抗菌 |
消臭効果・断熱効果・吸音性能 |
竹炭
壁材(断熱材) |
解決策③ 無料体験販売の実施
高価で近年売れ行きも芳しくなくなっている竹製品の実情を踏まえ、新しく「無料体験販売」を実験的に実施。
1 か月体験してもらって気に入らなければ、無料で返品OKという斬新な売り方で商品を購入しやすい環境を整えた。
最後に
これらの工夫により、高品質・低価格の竹製品および原材料としての竹を安定して提供することが可能となります。
国内には竹の一貫生産加工ラインを持ち、生産管理から加工まで自社で行うことのできる競合は存在しません。
竹製品購入の敷居が低くなるのに応じて利益についても3年後には直近と比較して625%まで爆発的に伸びるとの見込みです。
会社概要